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営業経験ゼロ女子が、トップセールスマンから本気で営業スキルを学んでみた

【2020年最新マーケティング】顧客が絶対に離れなくなるマーケティングの仕組み【ファンベースー支持され、愛され、長く売れ続けるために】の著者:佐藤尚之氏の講演を聞いて

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先日私が所属している京都経済同友会の例会で【ファンベースー支持され、愛され、長く売れ続けるために】の著者:佐藤尚之氏のご講演を聞く機会がありました。

その貴重な講演内容のまとめです。

 

 

売上が伸びない、安定しない。最近売上が落ちてきた・・・・・。

そんな問題に悩まされているなら、この「ファンベース」を導入を考えたほうがいい。 

佐藤尚之さん(通称さとなお氏)。

 

 
佐藤尚之(さとなお)コミュニケーション・ディレクター
(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事
大阪芸術大学客員教授東京大学大学院非常勤講師。
朝日広告賞審査員。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。
本名での著書に「明日の広告」「明日のコミュニケーション」(ともにアスキー新書)。「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊に「ファンベース」(ちくま新書
“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(光文社文庫)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。 www.さとなお.com(さなメモ)より引用

さとなお氏が提言するのは、「ファンベース」というマーケティング

新規集客や新規マーケット開拓に力や資金を注ぐのではなく、これまでの既存の顧客を大切にすることが中長期的な売り上げに繋がるという考え方です。

 

というのも、日本は人口減で、そもそも新規客を得るのは厳しい時代。

 

新規客の獲得に膨大なお金や時間を使うより、これまでの顧客にもっともっと企業ブランド・商品のファンになってもらい、永続的に支持し応援してもらえる「ファンづくり」に力を注ぐべきだと言います。

 
 
 

企業全体の8割の売り上げは、たった2割の顧客から生まれている。

全体の2割の購入者が8割の売り上げを支えている、という事実データがあります。

そして、さらにその中でもたった8%のコアなファンが、なんと全体の45%の売り上げを支えているというのです。

 

これは、商品やお店の利用だけではなく、あまり関係なさそうな駐車場・書店・雑誌などにも当てはまるそう。

 

また面白い例でいうと、

東京の新国立劇場は全体の3分の1の売上をたった3%の顧客が支え、

カゴメトマトジュースにいたっては、なんと2.5%の顧客が全体の30~40%の売り上げを支えているそう。

 
 

今の日本の人口減少では、新規客や新規マーケットは見込めない。

そんな今の時代では、既存の顧客のライフタイムバリュー(顧客生涯価値)を上げ、売上の底上げをするしか生き残る道はないということなんです。

 

それでは企業は、新規客をリピーターにし顧客となってもらう取り組みをすべきでしょうか?

さとなお氏は、そうではないと仰っています。

 

新たにリピーターを増やすのではなく、これまでの顧客の消費をさらに拡張し、囲い込みファンに育てるイメージ。

つまり、顧客の満足度をアップする取り組みをしていきます。

 

具体的には、ソニーの例でいうと、

ソニーのカメラを購入した方には、まずはオンラインでしっかりとアフターフォローをし、最終的には購入者同士のリアルな集まりを開催し、参加してもらいます。

商品のファン同士の交流の場「ファンミーティング」を開催し、ファン同士の繋がりを作ることで、企業や商品に愛着を持ってもらう。

そしてファン同士で交流してもらうことで、ファンがその商品やサービスの好きなところお互い話し合い、更に知識や商品の良さを他の人に説明出来るようになります。

こうして、ファンは個々の職場や家族、友人にも商品の良さを発信するようになり、口コミが生まれるのです。

 
 

従来のような広告宣伝の効果はなくなった!

今は情報が多すぎて物に溢れ、消費者は「何を買えばいいのか分からない」時代になりました。
現在の情報量はWebの発達により、天文学的な数値のレベルです。
例えば、Youtubeに1日にアップされる動画を全て見ようと思うと、なんと65年もかかるというのです。
つまりどんなに露出を増やしても、他の多くの情報に埋もれてしまい消費者には覚えてもらえないのです。
 
 

ホモフィリーを利用しよう。100人喜ばせることで45万人がお客様に!!

ホモフィリー(Homophily)とは、同じような属性や価値観を持つ人とつながろうとする人間の傾向のこと。 ソーシャルネットワーク研究の基本的な考えの一つで、同質性とも呼ばれます。 
つまり、「類は友を呼ぶ」「似たもの同士」と言われるように、 人は同じ属性の相手に親近感を持ちやすく、またそんなホモフィリーの相手から影響を受けやすいのです。
 
有名人やインフルエンサーの発信する情報は広まりやすいですが、現代の消費は、結局は家族や友人など自分と価値観が近い人が「良い」というものが最も信頼され購入されるという事実があります。
 
それはBtoC(business to custome 企業対消費者取引)だけではなく、BtoB(business to business 企業間取引)でも同じ。
企業のお客様同士は「抱えている課題が一緒」という強いホモフィリーを持っているので、「ファンベース」はかなり有効だということです。
 
 

2割のファンの満足度を上げることに力を注ごう!

上記の取り組みで売上を支えている上位2割のファンの満足度を上げることで、売り上げも上がり、ファンの数も少しずつ増えていく。
 
ファンは売り上げを支えるだけでなく、口コミもしてくれる存在です。
ファンに口コミをしてもらうことによって新たな紹介が生まれ、新規客も増えるのです。
 

買わない人を対象にしない!上位2割の客層を育ててファン化していく。

これまでのマーケティングアプローチは新規客の獲得にフォーカスを当てることが多かったのですが、これからは買わない人に振り向いてもらうよう努力するより、すでに利用者であるお客様の囲い込みをすることが大切だそうです。
 
 

「共感・愛着・信頼」がこれからの時代のキーワード=ファンを作ること。

これからは、商品やサービスを提供する企業よりも、人に付く時代です。
ファンを作るためには商品や企業のストーリーやドラマを知って共感してもらい、そしてその中にいる等身大の人を見せることで応援してもらうことが大切。
上位2割の顧客に、企業の中にいる人に「共感」「愛着」「信頼」を感じてもらい、志や理念に共感してもらううことによって、ファンである事に誇りと自信を持ってもらうのです。
 
これからは、お客様と企業が一緒に成長していく時代なのです。
 
 

【本講演で私が感じたこと】

 
私はこのご講演を聞くまで、SNSの発達によってリアルな繋がりは薄れていっているものと思っていました。
しかし、さとなお氏のご講演を聞き、オンラインが発達したからこそ人々はよりリアルな繋がりを求めるようになって来ているのだと気づきました。
 
SNSで遠くのより多くな人と繋がれるようになった今、その特性を活かせれば、更に多くの人に商品を届けることが出来るし、これまで以上に好きになってもらうことが出来る。
そして、商品だけでなく企業やその中にいる人達を好きになって、ファンになってもらえることが出来たら、なんて素晴らしいことだろうと思います。
 
そのためには商品を提供する側は、人間力・企業力を高め、良い影響を与える存在に常に成長していかなければなりません。
そしてお互いWinWinの関係性が出来上がれば、こんな素晴らしいことはないと思いました。
 
 
 
 今回のご講演でお話された「ファンベース」の本です。
ファンベース (ちくま新書)

ファンベース (ちくま新書)

 
  
さとなお氏の主要なマーケティングの本です。

*1:カゴメはその2.5%のコアファンのみにフォーカスしたコミュニティ「&KAGOME」を運営しています。