【トップセールスマンから学ぶ売れる5つのスキル】とは?読書書評:「かばんはハンカチの上に置きなさい(川田 修)」
1月から共同学習をさせていただいている保険セールスマンの方が送ってくださった本を読みました。
その方が前職から今の保険のお仕事に転職された時に、業績アップのきっかけになった一冊だそう。
感想を聞かせてね、と言うことで、初のブログ記事は、初の読書感想にチャレンジしたいと思います😊
ところで、私のトップセールスのイメージは、
情報収集は日経新聞やウェブサイト、年間100冊以上のビジネス書を読み、オーダースーツに身を包み、胸元には洒落たハンカチーフにピカピカの高そうな革靴。腕にはシンプルだけど高級ブランドの時計がチラリ。スマホや手帳で分刻みのスケジュール管理、いつも忙しそうで親しみにくい。
そんなイメージを本の序盤から(というか表紙の写真から!)覆す著者の川田修さんは、プルデンシャル生命保険のエグゼクティブ・ライフプランナー。
※エグゼクティブ・ライフプランナーとはプルデンシャルでの営業の最高峰のタイトルだそうです
本は年間3冊程しか読まない、という川田さんが本の中で教えてくれるのは、誰でも今日から真似できる簡単なこと。
その簡単なことを継続し続けた結果、お客さまに一目置かれ、信頼され、結果トップセールスになれるという。
- 情報収集はテレビのワイドショー。そんな面倒くさがりでもトップセールスに。
- 1章 相手目線でちょっと違うことをやる
- 2章 「ちょっと違うこと」から気づく、大事なこと
- 3章 営業パーソンは弱いものである(自分の弱さを認める)
- 4章 新人時代の話。営業現場でイチから学ぶ
- 5章 営業とは、お客さまと物語を作る仕事
- 【本書で私の感じたこと】
情報収集はテレビのワイドショー。そんな面倒くさがりでもトップセールスに。
新聞も本も読まない。手帳も薄くてざっくり。そんな私がトップ営業になれた理由
現役エグゼクティブライフプランナーながら、年間10件以上の企業講演の依頼も受け、営業のプロとして活躍されているという川田さんが「はじめに」の中で書かれている日頃のご自身の姿は、新聞も本もほとんど読まず、情報源はテレビといった、トップセールスマンのイメージとはかけ離れた「普通のおじさん」。
表紙のノホホンとした姿とただのおじさんっぷりに一気に親近感を感じながら、でもそんな川田さんがトップセールスに至ったどんな秘密が隠されているのか、興味深々で読み始めました。
1章 相手目線でちょっと違うことをやる
この章では、川田さんが日頃からされている、お客さまに接した時の振る舞いを書かれてくださっています。
営業カバンは白ハンカチの上に置くこと
床などに置いているかもしれない営業カバンで、相手のお宅を汚さないという配慮を持つこと
my靴ベラを携帯し、使うこと
用意していただいた靴べらはそのお家のお客様用のもの。セールスパーソンは訪問者であってお客ではないので、用意した自分のものを使うこと
遅刻は2分でも連絡を
お客さまの時間は1分でも大切にする。だからたった2分でも遅れる時は必ず連絡を入れること。
お辞儀を大切にする
姿が見えなくなるまでお見送りすること。
営業で身につけるスーツや持ち物は仕事用として選ぶ
生命保険をあつかう営業マンが服装で自己主張する必要はない。あくまで主役はお客さまだから。
川田さんは黒革ベルトに銀縁、白フェイスの時計にこだわっているそう。
「座ってお待ちください」と勧められても、座らない
座って待つのはお客さまだけ
留守番電話の対応の声を自分の声に吹き替える。
機械音のままになっていないか?かけたお客さまがどう思うか考えてみよう。
ゴルフ場でかける掛け声と、ゴルフ場で一目置かれる持ち物とは?
「ナイスショットは言わない」。川田さんは、消しゴムを持っていくそう。
などなど、川田さんのちょっとした、でも「なるほど、私でも出来そう!」と思わせてもらうような小さなアイデアがたくさん書かれていました。
普通の営業とたった「1つ」小さな違いの差を積み上げて、お客さまの求める10よりプラスαの11以上の営業でありたい。
そのように思われているそうです。
2章 「ちょっと違うこと」から気づく、大事なこと
1章で書かれた様々なテクニック にある「本質」に気付いて欲しい、と川田さんは言っています。
出来る人は、誰かの良いところを真似して結果を出しているから、最初は真似をするだけでいい。
まずは今日から、出来ることだけでいいからやってみて欲しい。
そうすれば、いつのまにか結果は付いてくるし、営業の本質を知ることが出来る。
つまり、元は真似事から初めた行動から、いつのまにか「相手を敬う」心が生まれるということなのです。
考えが変われば行動が変わる。行動が変われば週間が変わる。週間が変われば性格が変わる。性格が変われば人格が変わる。人格が変われば人生が変わる。
良い営業を目指していたら、良い人間になっていた。
こんな素敵なことはありません。
3章 営業パーソンは弱いものである(自分の弱さを認める)
3章には、「辛い、もう嫌だ!」と思った時、川田さんがどのように立ち向かったのかが書かれています。
前職のリクルートから生命保険会社に転職したての時、仕事に打ち込む為に2年間家族と離れて暮らしたこと。
仕事で落ち込んだ時、暗い気分を自宅に持ち帰らないために、どんな時も直帰はせずに会社に戻って仲間に励ましてもらったり、先輩にアドバイスをもらっていたこと。
仕事でプライドを捨てる大切さ。
今はトップセールスの川田さんも、最初は様々な知恵を絞って、新人時代は上手く行かなかった時の落ち込みを回避させていたのです。
4章 新人時代の話。営業現場でイチから学ぶ
前職での経験が通用せず苦い思いをした保険セールスの初営業後、川田さんはこれまでの成功体験を全部忘れることにし、ゼロからのスタートを切りました。
その後、たくさんのお客様との出会いがあり、たくさんの大切なことをお客様から教えてもらったそうです。
しかし、トップセールスになるにつれ初心を忘れ、数字やタイトルを追って自分を見失ってしまった時もあったそう。
そんな時も、大切な事をお客様から思い出させてもらったそうです。
そんな経験を経た川田さんは、「新人のうちは出世やお金の為に頑張ってもいい」と言います。自分の為だからこそ、本当に大変な時も乗り切れることが出来る。そしてその最中に出会ったお客様によって、人間的にも成長させてもらい、結果お客様の為に頑張れるようになれるといいます。
5章 営業とは、お客さまと物語を作る仕事
最後の5章では、営業の仕事の面白さは何か、川田さんの実体験で生まれたお客様との様々な心温まるエピソードが書かれています。
私は営業という仕事ほど、創造的で自由な職業はない、と思っています。
一つ一つの出会いから少しずつ距離が縮まっていき、そこから感動が生まれたり、創意工夫しながら、自分で「物語」を組み立てることもできる。その過程では時には俳優になったり、ドラマの脚本家みたいな要素もあります。〜(中略)〜
そして何よりも、多くの出会いがあり、そこから学ぶことで、人として成長できることは一番の魅力かもしれません。自分は一つの人生しか生きることができませんが、仕事を通して知り合った多くの方々の人生から、さまざまなことを学ぶことができるのです。
【本書で私の感じたこと】
本書の中に書かれている誰でもできる川田さんの様々なアイデアは、全て「自分がお客様だったら、どうしてほしいか」を考え抜かれて生まれたものです。
「トップセールスマンになる」という事は、常に自分ではなくお客様を主役にし、お客様が喜んでくれるようにという小さな行動を沢山たくさん積み重ねた結果なのだと分かりました。
お客様が喜んでくれることは本当はとてもシンプルで、お客様が営業マンに「自分を大切に扱ってくれている」と感じさせてもらえること。
全てのトップセールスマンに共通しているのは、「お客様中心」という考え方なのですね。
「全ての商品やサービスは、お客様の問題解決の為にある」という言葉の通り、サービスを提供する側はお客様の問題解決に徹しなければなりません。
ということは、「お客様のために」というのは綺麗事ではなく、本来あるべき営業の姿。
川田さんがこの本で本当に言いたかったのは、そんな営業の本質なのではないかな、と思いました。